【旧版】『遠隔点呼』運用開始までに必要なモノ・システム・設備環境、事務手続きはいつまでに?

2022.8.2

こちらの内容は2023/3/31~廃止された「遠隔点呼の実施要項」に基づく古い情報になります。最新情報は下記リンク先の記事を参照ください。(2023/4/13)

【最新版】『遠隔点呼』運用開始までに必要なモノ・システム・設備環境、事務手続きはいつまでに?

「遠隔点呼」を始めるための三大要素

 遠隔点呼の運用環境を整えるには、下記『システム要件』の【機能を持っている】点呼システムを導入し、さらに実際に遠隔点呼を執行する、執行される側のそれぞれ拠点別に決められている『設備要件』を満たしておく必要があります。そして運用にあたり、記載の『遵守事項』を遵守していくことを宣誓し所管の各運輸支局等へ期日までに申請手続き→現地調査を完了(※下記追記あり)させる必要がございます。


※追記:2月以降の申請手続きにつきましてはこちらの国土交通省資料内P9にて「令和5年4月以降については、省令等の改正を実施した上で、法令に基づき事業者が届出することで実施できることとし、検討会における承認は求めないこととする。」との情報のみが公式なものとなっております。4月以降は届出のみで実施が可能になる可能性が高いですが、まだ2023/3/13時点で正式発表がないため、続報をお待ちください。

関連記事:そもそも、遠隔点呼のメリットって何?

※下記のうち太字は、今回遠隔点呼で主に特徴的な要素です。

イ.
システム要件

システム要件の
詳細記事はコチラ

<システム要件 概要まとめ>
・①モニタサイズはXXX
  カメラ画素はXXXX
・②アルコール測定結果の
  自動保存と確認
・③点呼執行者の生体認証
・④運転者の生体認証

・⑤以下の情報共有機能
 ・(1)日常の健康状態
 ・(2)労働時間
 ・(3)指導監督の記録
 ・(4)運行に要する携行品
 ・(5)運転者台帳
 ・(6)過去の点呼記録
 ・(7)車両の整備状況
・⑥運転者の健康情報管理
・⑦車両の日常点検記録管理
・⑧運行管理者の指示伝達
・⑨点呼結果の記録と共有
・⑩機器の故障履歴記録
・⑪記録の改ざん防止
・⑫故障記録の出力

ロ.
設備要件

設備要件の
詳細記事はコチラ

<設備要件 概要まとめ>
・①運転者側の照度
→運転者の顔の表情、全身、酒気帯びの有無、疾病、疲労、睡眠不足等の状況を随時明瞭に確認できること。照度500ルクス程度推奨で余程薄暗くなけらば満たせる。

・②運転者側に監視カメラ等
→遠隔点呼中に執行者側が、運転者の全身が映る映像を確認できること。録画機能までは不要とのこと。

・③必要な通信環境の確保
・④必要な通話環境の確保

ハ.
遵守事項

遵守事項の
詳細記事は作成中です

<遵守事項 概要まとめ>
・①地理、道路交通情報の共有
②面識のない運転者とは
  あらかじめ面談(Web可)

・③運行中車両の位置情報把握
・④運転者の携行品確認
・⑤交替運転者が必要になった
  場合の体制整備

・⑥機器故障時の点呼体制整備
・⑦グループ企業間での実施時
  の情報取扱い
・⑧運転者の個人情報取扱いに
  ついて事前同意
・⑨運行管理規定への明記と
  情報の周知

 システム要件は12項目もあり、なんだかややこしいですが、少なくとも東海電子のe点呼PROとその連動機器を用いれば、システム要件の12項目は全て満たすことができます。これに監視カメラ等で、点呼中に運転者の全身が映って確認できる環境を整え、運転者の姿、表情が明るい環境で確認できればシステム、設備環境は整います。

実際に遠隔点呼で必要なシステム構成

下記にまとめてみました。

■遠隔点呼【執行側】=いわゆる運行管理者側
・パソコン(推奨スペックあり、画面16インチ以上、解像度1920×1080ピクセル以上推奨)
・カメラ、マイク、スピーカー
・クラウド点呼システム「e点呼PRO」の契約

■遠隔点呼【被執行側】=いわゆる運転者側
・パソコン(推奨スペックあり、画面16インチ以上、解像度1920×1080ピクセル以上推奨)
・カメラ(200万画素以上推奨)、マイク、スピーカー
・アルコール検知器「ALC-PROⅡ」本体セット
・パソコン、クラウド連携型の体温計 または 血圧計(どちらか一つで良い)
・クラウド点呼システム「e点呼PRO」の契約

※下記写真のパソコン画面は撮影用につき16インチ未満となります。必ず16インチ以上のモニタをご準備ください。

■監視カメラに関して
 必要な要件はまさに「遠隔点呼の執行中に、リアルタイムで運転者の全身が映っている姿が確認できること」のみです。こちらは実際に、中部運輸局の遠隔点呼現地調査の立会いに同席させて頂き、お客様に許可を頂き撮影してきた写真イメージになります。こちらのお客様は、実際に↑のイメージで遠隔点呼適合となりました。映像の録画は不要(乗務後自動点呼まで行わない場合)で、カメラ位置もだいたい写真のイメージで問題なかったです。

いつから開始できるのか?必要事務手続きに関して(下記は2023年1月までの情報です)

 当初、2022年の7月~、10月~、年明け2023年1月~の3つのタイミングで開始ができ、それぞれ期日までに遠隔点呼を執行(応答する側)、被執行(呼出しする側)それぞれが属している運輸支局へ必要書類を提出しておく形で通知されました。

 この記事を執筆しているのが8月頭につき、最短は8/31までに必要書類を提出し、10/1~開始でき…そうです。が、実は現状、必要手続きは書面提出のみではないです第一回申請のときは5/31までに必要書類を提出し、かつ”6/20までに実機を導入して運輸支局の現地立会い調査を受ける”必要がありました。(中部運輸局エリア)

 国土交通省にて、最終的に遠隔点呼の適合、不適合を申請のあった事業所ごとに判断する会議が3ヶ月に1回あり、その開催6/29に間に合わせるためにそのだいぶ手前で現地調査が必要とのことでした。遠隔点呼自体が始まったばかりで、監視カメラや明るさといった現地でないと確認できない事項もあり、そのための現地調査でもあったようです。


第1回申請と同様のパターンとなる場合、

10月スタートの場合:
→8/31までに書類提出および9月初旬までにはシステム~設備環境を整え、9月中旬までに現地調査をパスする必要がある。

2023年1月スタートの場合:
→11/30までに書類提出および12月初旬までにはシステム~設備環境を整え、12月中旬までに現地調査をパスする必要がある

と思われます。

ただ、遠隔点呼の申請事業所数が増えれば増えるほど、現地調査人員も足りなくなり今後、書面のみの提出でOKになるのでは?とも予見されます。また各運輸支局によって、追加で資料を求められたり、デモ機や試用機はNG,といったところもあるようです。

必要書類や、現地調査で何を見聞きされるのかは、また後程別記事で紹介させて頂きます。