【遠隔点呼】25要件その③~運用上の遵守事項~

2023.6.29

【2023/3/31国土交通省告示第二百六十六号 反映】
※2023年4月1日より以前の遠隔点呼実施要項が廃止になり、国土交通省告示第二百六十六号の中に統合されました。

皆様こんにちは!IT点呼.com 遠隔点呼25要件シリーズ、3回目の更新です。

今回も前回施設・環境要件、前々回機器・システム要件に引き続き遠隔点呼申請に必要な25要件についてお話していきたいと思います。




第3回目は【運用上の遵守事項】です。

こちらは遠隔点呼の運用を開始するにあたり、運行管理者などが事前に準備するものになります。
それでは、さっそく解説していきます。

地理・道路交通情報の共有
運行管理者等は現地地理情報道路交通情報を持つことが必要です。自営業所の管轄でない地域の情報は知らない、ではNGということですね。

事前面談ルール
運行管理者等は、面識のない運転者に対し遠隔点呼を行う場合は、あらかじめ運転者と対面又はオンラインにて面談する機会を設け、運転者の表情や健康状態、適性診断結果等の遠隔点呼を行うために必要な事項について確認する必要があります。
はじめましてはNGということです。

運行中車両の位置情報把握
運行管理者等は運行中の車両位置の把握努めなければなりません。車両位置把握手段の例としては、GPS等による車両位置管理システムの活用等が挙げられます。GPS付の通信式デジタコなどを使用して、車両位置を把握しましょう。

運転者の携行品確認
運行管理者等は運転者の携行品の保持状況又は返却状況を確認することが必要です。
確認手段の例としては、遠隔点呼中に所持品をモニタ映像越しに映してもらったり、監視カメラなどによる携行品置き場の状況確認や機器・システムによる携行品の有無検出等が挙げられます。トラックやバスの鍵等、しっかり返却を確認して終了点呼後に事業用自動車を運転できないように努めましょう。

アルコール検知器と鍵管理機が連動するシステムもございます。

遠隔点呼の結果、乗務不可判断をした場合の報告体制
遠隔点呼により運転者が乗務することができないと判断した場合は、直ちに運転者所属の営業所の運行管理者等に連絡することが必要です。

⑥遠隔点呼の結果、乗務不可判断をした場合の代替体制
遠隔点呼を受けている営業所は、代替措置を講じることができる体制を整える必要があります。具体的な代替措置というと、急遽別の人に走ってもらうぐらいでしょうか…

機器故障時の点呼体制整備
機器の故障等により遠隔点呼を行うことが困難になった場合には、対面点呼等の運転者所属の営業所等で実施が認められている点呼を行うことができる体制を整えることが必要となります。
機器が故障したからといって、点呼未実施ではNGです。

グループ企業間での実施時の情報取り扱い
グループ企業との間で点呼を行う場合は、遠隔点呼に必要な情報の取り扱いなどにかかる契約を締結することが必要となります。運行ルートや点呼記録等の伝達共有をどうするかを事前取り決めします。

運転者の個人情報取り扱いについて事前同意
運行管理者及び運転者の認証に必要な生体情報、運転者の体温や血圧などの個人情報の取り扱いについて、あらかじめ事業者が対象者から同意を得ることが必要となります。
点呼内容情報には多くの個人情報が含まれているため、必ず個人情報の提供同意を得る必要があります。

運行管理規定への明記と情報の周知
事業者は、遠隔点呼の実施に関し必要な事項について、あらかじめ運行管理規定に明記するとともに、運行管理者や運転者などの関係者に周知することが必要です。

以上が運用上の遵守事項10項目となります。

皆様いかがでしょうか?特に⑤~⑦については、要確認かもしれませんね…
遠隔点呼により、点呼執行者が現地に常駐する必要はなくなりますが、必要数だけの運行管理者の選任はやはり必要です。遠隔点呼に限らず、「何かイレギュラーな事態が起きた場合」の対応フローは事前に準備・整理頂いた方がいざという時に安心です。

さて3回にわたり説明させていただいた遠隔点呼要件も今回で最終回となりました。
少しでも皆様のお役に立てていれば幸いです。今後も皆様にとって有益な情報を発信していきたいと思いますので、楽しみにお待ちください。

ではまた次回もお楽しみに!


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