【最新版】『遠隔点呼』運用開始までに必要なモノ・システム・設備環境、事務手続きはいつまでに?
2023.4.13
2023/3/31~『遠隔点呼』、変化あり!
2022年7月頃~「遠隔点呼」がスタートしました。
当時は「遠隔点呼実施要項について」という文書内にて要件が明記され、2022年7月~(第1回)、10月~(第2回)、2023年1月~(第3回)開始と3回の開始タイミングについてまでの案内がありました。
ところがその後、2022年末には「乗務後自動点呼」(ロボット点呼)のルールも決まり、2023年度始まりに向けて、これらの「遠隔点呼」「乗務後自動点呼」に関するルールをまとめた「点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法を定める告示(令和5年国土交通省告示第266号)」という文書が3/31に告示となりました。
これに伴い、従来の「遠隔点呼実施要項について」の文書は廃止となり、遠隔点呼の要件も従来と微妙に変わっている部分も出てきました。ここでは、それらを改めて紐解いていくことができればと思います。
「遠隔点呼」を始めるための三大要素
【2023/3/31国土交通省告示第二百六十六号 反映】
遠隔点呼の運用環境を整えるには、下記『システム要件』の【機能を持っている】点呼システムを導入し、さらに実際に遠隔点呼を執行する、執行される側のそれぞれ拠点別に決められている『設備要件』を満たしておく必要があります。そして運用にあたり、定められている運用上の『遵守事項』を遵守していくことを宣誓し、所管の各運輸支局等へ遠隔点呼開始の10日前までに専用書式の届出書や機器のパンフレット等の提出を完了させる必要がございます。
※下記のうち太字は、今回遠隔点呼で比較的、特徴的だと思われる(執筆者主観)要素です。
・①下記が映像と音声で明瞭に
確認できること
・A.運転者の顔、表情
・B.酒気帯びの有無
・C.疲労疾病等で安全運転が
できない恐れの有無
・②アルコール測定結果の
自動保存と確認
・③点呼執行者の生体認証
運転者の生体認証
・④以下の情報共有機能
・(1)日常の健康状態
・(2)労働時間
・(3)指導監督の記録
・(4)運行に要する携行品
・(5)運転者台帳
・(6)過去の点呼記録
・(7)車両の整備状況
・⑤運転者の健康情報管理
・⑥車両の日常点検記録管理
・⑦運行管理者の指示伝達
・⑧点呼結果の記録と共有
・⑨機器の故障履歴記録
・⑩記録の改ざん防止
・⑪故障記録の出力
・① 下記が映像と音声で明瞭
に確認できる明るさ
・A.運転者の顔、表情
・B.酒気帯びの有無
・C.疲労疾病等で安全運転が
できない恐れの有無
・②アルコール測定や遠隔点呼
を受けている運転者の全身
が映る監視カメラ等
・③必要な通信環境の確保
・④必要な通話環境の確保
・①地理、道路交通情報の共有
・②面識のない運転者とは
あらかじめ面談(Web可)
・③運行中車両の位置情報把握
・④運転者の携行品確認
・⑤遠隔点呼点呼の結果、その
運転者が運行できないと判
断した場合に運転者所属の
運行管理者等へ直ちに連絡
が取れる体制
・⑥⑤のときに代替措置が
とれる体制
・⑦機器故障時の点呼体制整備
・⑧完全子会社間での実施時
の情報取扱い
・⑨運転者の個人情報取扱いに
ついて事前同意
・⑩運行管理規定への明記と
情報の周知
システム要件は11項目となり、なんだかややこしいですが、少なくとも東海電子のe点呼PROとその連動機器を用いれば、システム要件の11項目は全て満たすことができます。これに監視カメラ等で、点呼中に運転者の全身が映って確認できる環境を整え、運転者の姿、表情が明るい環境で確認できればシステム、設備環境は整います。
実際に遠隔点呼で必要なシステム構成
下記にまとめてみました。
■遠隔点呼【執行側】=いわゆる運行管理者側
・パソコン
(2023年1月開始の遠隔点呼までは画面16インチ以上、解像度1920×1080ピクセル以上が元々推奨されていた)
・カメラ、マイク、スピーカー
・クラウド点呼システム「e点呼PRO」の契約
■遠隔点呼【被執行側】=いわゆる運転者側
・パソコン
(2023年1月開始の遠隔点呼までは画面16インチ以上、解像度1920×1080ピクセル以上が元々推奨されていた)
・カメラ、マイク、スピーカー
・アルコール検知器「ALC-PROⅡ」本体セット
・パソコン、クラウド連携型の体温計 または 血圧計(どちらか一つで良い)
・クラウド点呼システム「e点呼PRO」の契約
※下記写真のパソコン画面は撮影用につき16インチ未満となります。画面が小さいと運転者の表情等が明瞭に確認できなくなる懸念がございますのでやや大きめのパソコン画面をご用意ください。(従来は16インチ以上が下限の推奨値とされておりました)
■監視カメラに関して
必要な要件はまさに「遠隔点呼の執行中に、リアルタイムで運転者の全身が映っている姿が確認できること」のみです。こちらは過去に運輸局等の現地調査があった頃に中部運輸局の遠隔点呼現地調査の立会いに同席させて頂き、お客様に許可を頂き撮影してきた写真イメージになります。こちらのお客様は、実際に↑のイメージで遠隔点呼適合となりました。映像の録画は不要(乗務後自動点呼まで行わない場合)で、カメラ位置もだいたい写真のイメージで問題なかったです。
<関連記事>
そもそも、「遠隔点呼」のメリットとは?
【遠隔点呼】25要件その①~機器・システム要件~用意するものは?
【遠隔点呼】25要件その②~施設・環境要件~準備するものは?
【遠隔点呼】25要件その③~運用上の遵守事項~