IT点呼を執行できる場所は?「営業所」と「車庫」の関係についても確認

2021.10.19

IT点呼を”執行できる場所”は営業所または車庫

貨物自動車運送事業の経営を始めるときに国土交通大臣からの許可を受けた「営業所」と「車庫」でのみ、IT点呼を「執行」することができます。

「営業所」や「車庫」として登録していない場所…例えば”社長の自宅“や”運行管理者の自宅“からIT点呼を執行することは現状、NGなのです。

営業所
車庫

車庫で、他営業所にいる運転手のIT点呼を執行するのは、OK?

車庫にいる運行管理者(補助者)が無人時間帯の営業所にいる運転手の点呼をIT点呼でもって執行する、これはOKです。

ただし、車庫にも電源やネットワーク環境が整い、パソコンが設置できる施設が必要になってきます。

トラックを駐車する土地だけで、IT点呼の機材は雨ざらし、というわけにはいきませんからね。

 

車庫で、他の車庫にいる運転手のIT点呼を執行するは、OK?

車庫にいる運行管理者(補助者)が他の車庫にいる運転手の点呼をIT点呼の形態で執行する、これもOKです。

やはり、車庫にも電源やネットワーク環境が整い、パソコンが設置できる施設が必要になってきます。特に夜間早朝で無人になる車庫は運転手が自由に出入りできるプレハブ小屋を備えて、そこにIT点呼機材を置いているところも多いです。セキュリティワイヤやダイヤル式の施錠等、部外者等による機材の盗難対策も併せて考えておく必要があります。

上記のIT点呼形態をOKと判断する根拠ですが、輸送安全規則の解釈及び運用を参照すると、
1)営業所とほか営業所
2)営業所と車庫
3)車庫と車庫
の形態でのIT点呼執行があることが前提としたルール決めがされているため、これらの位置関係でのIT点呼執行はOKであると言えるでしょう。

貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用
第7条 点呼等


(途中省略)

(5) 同一事業者内のGマーク営業所において、(4)の機器(=国土交通大臣が定めた機器)を用い、営業所間、営業所と車庫間又は車庫と車庫間で行う点呼及び(3)なお書きの営業所において(4)の機器を用い、営業所と当該営業所の車庫間又は営業所の車庫と当該営業所の他の車庫間で行う点呼(以下「IT点呼」という。)は以下に定めるところにより行うものとする。

出典:自動車総合安全情報(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/index.html)

 ※貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について をもとに東海電子㈱が一部省略、補足の上記載。

IT点呼で全拠点の点呼を完全無人化できるわけではない

 最低1人は、運転手からのIT点呼に応答して執行できる管理者がどこかの拠点に必要です。IT点呼は2地点以上が点呼に関わって初めて成立します。IT点呼を執行できる体制を1拠点構えておけば、他の営業車や車庫での点呼の大部分を代わりにIT点呼として執行することができるようになります。ただ便利な反面、ひとつの拠点にIT点呼の呼び出しを集中させ過ぎると思わぬ混雑や「IT点呼渋滞」を発生させることもあるので注意が必要です。詳しくはこちらの記事もご参照ください。