点呼ラッシュ(混雑)時間帯のIT点呼執行で注意することは?どんな対策がある?

2021.10.19

IT点呼は、呼び出した相手(運行管理者)が応答して、初めて成立します。

 IT点呼は運転手が有人の営業所(車庫)へテレビ電話をつないで、モニタ越しに点呼を受けるイメージです。そのため、必然的に点呼を執行する相手がモニタの先で待機している必要があります。システム上、呼出しに対して相手が応答操作をすると初めて、お互いの姿や声がモニタ越しに通じるようになります。
 1台の電話に対して、複数名が同時間帯に電話をかけると話し中となり通じない状況がありますが、それはIT点呼でも同じことが起こり得ます。

最も混雑する時間帯 × 拠点数 のIT点呼を、捌ききれるか?

 例えば、中部営業所は、明朝5時~5時半ぐらいまでに10人が出発でIT点呼を受けるとします。他の営業所でも、同じぐらいの時間帯に同じぐらいの人数の運転手が出発のIT点呼を受ける必要があるとした場合、明朝のIT点呼はかなりの混雑が想定されます。
 1名当たりの点呼時間はどれぐらいになりますでしょうか?仮に1名あたり1分とした場合、10人目は9分以上待つことになります。さらに、他営業所の運転手のIT点呼呼び出しとバッティングすると運転手は”IT点呼が繋がらないイライラ”と”到着時間に遅れてしまうかもしれない焦り”に見舞われるかもしれません。管理者が出勤していない状況で、「IT点呼つながらない、もう面倒くさいから出発しちゃえ!」と無点呼状態で運行に出てしまう懸念さえあります。そのため、各営業所のIT点呼ピークの時間帯と応答執行側の体制を確認し、過度な混雑を避け無理のないIT点呼運用体制を計画することが大切になってきます。

混雑時間帯は、接続先を分散するのもありです。

 いち営業所で他の営業所や車庫にいる運転手からのIT点呼呼び出しを全て受けるのではなく、IT点呼の組合せをいくつかのグループに分けることも有効です。いち営業所辺りに集中する負担や混雑を軽減できますが、その分運行管理者を置いておく必要があるので労務的な負担は増えます。呼び出し側の拠点数や人数規模、点呼の混雑時間帯と、それをIT点呼執行拠点側が捌ききれるかを予め確認し、無理のないIT点呼体制を構築して労務負担の軽減と確実なIT点呼執行による安全運行の確保をバランスよく目指していく必要があります。

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